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不動産売却における建物状況調査(インスペクション)について

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カテゴリ:不動産売却

建物状況調査(インスペクション)とは


国土交通省が指定した講習を受けた建築士などの専門家が住宅の劣化や不具合の状況について検査を行い、欠陥の有無や修理の必要性、その時期などを客観的に検査するものです。実施するメリットもあわせてご紹介します。



 

依頼するタイミングと義務


インスペクションは不動産売却前に売主が済ませておくこともあれば、買主が購入前に依頼することもあります。住宅の売主・買主にはインスペクションを実施する義務はありません。


 

 

検査する場所


インスペクションは主に目視と機器を用いて検査できる部分が対象で、床や壁をはがして調査することまでは求められていません。足場を組まずに移動できる範囲に限られ、床下や天井裏は点検口などから目視できる範囲になります。

ご自身ではあまり確認しない屋根や見えにくい基礎部分も検査するため、普段意識しない部分の劣化やメンテナンス時期の目安がわかります。

基礎診断で確認する部分やオプションの有無などは業者によって異なるため、どこを検査するかは契約前に必ず確認しましょう。



 

実施するメリット

 

メリット1:買主が見つかりやすい


インスペクションを実施して構造の問題などが可視化されていることで、買主は状態を把握できるため安心して購入に踏み切れます。

修繕をしていなくても、不具合箇所や補修箇所、メンテナンスの時期等が把握できるため、買主も購入の判断がしやすいことが大きなメリットです。

 


メリット2:売却時に他物件と差別化ができる


売主がインスペクションを済ませていれば、買主は依頼する必要がなくなります。また、検査していない物件と比較した時に、検査済みである安心感からより前向きに購入を検討しやすくなり、決断が早くなるため、スムーズな取引が期待できます。

 


メリット3:売主が住宅の状態を把握できる


住宅の状態によっては修繕して売却するか、そのまま売却するかなどの判断もしやすくなります。あまりにも損傷がひどいことが判明したら、住宅を取り壊すのも選択肢に加わるでしょう。

インスペクションを依頼して事前に住宅の状態を把握することで、売却に向けてどのくらいのコストをかけて修繕をするのかを考えることができます。

 


メリット4:引き渡し後のトラブルを回避できる


2020年の4月に民法改正がありました。

改正前にも損害賠償請求や契約の解除など買主を保護する「瑕疵担保責任」がありましたが、改正後は「契約不適合責任」に変わったことにより、買主は売買しやすくなったと同時に売主の責任が重くなりました。

そこで売主があらかじめインスペクションを済ませることにより、売買契約書に住宅の不具合を細かく明記することができます。

契約時に売主・買主双方がそのことに合意すれば、その後のトラブルを回避することができるのです。

インスペクションは不動産売却後のトラブルを防ぐ重要なポイントとなります。

 



費用

 

一戸建てにかかるインスペクションの費用は、510万円程度が相場です。

検査する業者や住宅の場所によって異なりますが、面積が広いほど高額になります。

また、専用の機器を用いた詳細な検査や、天井裏や床下も確認する検査を依頼すると高くなります。

そのため、オプションを付けると10万円以上かかることもあります。

検査後の報告書を基本料金に含めている業者もあれば、オプション料金としている業者もあるため、費用の内訳については事前に確認しておきましょう。



 

業者を選ぶポイント



不動産会社からインスペクターを紹介してもらえる場合もありますし、ご自身でインスペクターを探すことも可能です。

その際は宅地建物取引業法が定める「既存住宅状況調査技術者」など、専門の知識を有する人がいる業者への依頼をおすすめします。

住宅瑕疵担保責任保険の要件には、既存住宅状況調査技術者がインスペクションをおこなうことも含まれているため、既存住宅状況調査技術者にインスペクションを依頼することにはメリットがあります。







まとめ


不動産売却において、売主が事前にインスペクションを実施することで、買主も住宅の状況を把握することができ、早期売却が期待できます。

費用はかかりますが、安全でスムーズな取引、後のトラブルを回避できるなどのメリットがあるため、ぜひご検討ください。






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